経営の現場は『知恵の宝庫』
疋田文明が注目する元気印企業を事例に 勝ち残る企業像、あるべき経営者像を 経営者のみなさまと共に探求します。 |
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元気な会社の起業に成功した経営者は、例外なく、社員にとって『厳しい』存在だ。
日本マクドナルドを創業した頃の藤田田さんは、「バカ野郎、なにをやっているんだ!」が口癖で、「昔は、マクドナルドやなくて、マタドナルドやといわれていましたよ」という。ユニクロの柳井正会長も同様のタイプだ。 「社員に対して気づいたことは、容赦なく指摘しますよ。でも、社員に、ただ好かれることが、経営者の役割なんですか?」(柳井)
シビアな経営責任を担っている経営者は、厳しさがなければ務まらないのは当たり前のことだろう。しかし、厳しさだけでは有能な経営者になれないのも事実だ。厳しさだけでは、人は長きにわたってついてはこない。
藤田さん、柳井さんには、いまひとつ共通していることがある。それは、ふたりは、『厳しさ』の対極にある『やさしさ』も同時に持ち合わせているということだ。
「資本主義は金がすべてである」といい、経済合理性の権化のように思われていた藤田さんを、氏と仕事をともにした社員は、「浪花節そのもので、厳しく叱った翌日には、何事もなかったように、やさしい言葉をかけてフォローしていました」と、その人となりを話してくれた。
柳井さんは、「子供のような素直なところもあれば、疑り深く老獪な面もある」と自らの経営者としてのありようを分析している。
柳井さんは、「
経営者はアンビバレンスなんです」ともいう。アンビバレンスとは、同一対象に対して、矛盾する感情や評価を同時に抱いている精神状態をいう言葉で、「両面感情」「好悪併存」とも訳される。 これまで、数多くの有能な経営者を取材してきたが、その経験から、柳井さんの、「アンビバレンスなんです」という言葉には、共感を覚える。
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