経営の現場は『知恵の宝庫』
疋田文明が注目する元気印企業を事例に 勝ち残る企業像、あるべき経営者像を 経営者のみなさまと共に探求します。 |
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2005年7月29日・30日の2日間、和歌山ビッグホエールにおいて、実にユニークなファッションショーが催された。20人を超えるモデルから演出者にいたるまで、ショーを運営する人間は全てイタリアから招いたという。それだけ本格的な
ファッションショーなのだが、主催者は機械メーカーの島精機製作所だというのだから驚かされる。 なぜ、
機械メーカーがファッションショーなのか。それは、島精機が開発した『ホールガーメント』のよさを、アパレルメーカーの経営者やデザイナーたちに、理解してもらいたいがためにである。無縫製で一気にニット製品を編み上げる『ホールガーメント』は、同社の島正博社長が、疲弊する日本のニット業界を再生させることを目的に開発したもの(注目企業紹介に詳しく紹介)だが、売り出し当初は、国内での反応が芳しくなかった。ベネトン等々の海外企業からは100台単位で注文がくるのに、国内企業からは微々たるものだったのだ。活力をうしなった国内のニットメーカーに、新規投資意欲がなくなってしまっていたことが、一番の理由だったが、島社長は諦めなかった。『ホールガーメント』を使えば、どれだけ効率よく、素晴らしいニット製品ができるのかを、島精機自らが実践して見せることを考えたのだ。 数年前には、和歌山市内に、ホールガーメント7機を据えて「ファッション・ファクトリ・ブティック」をオープンさせ、2004年にも、創業40周年事業の一環として、ファッションショーを開催している。その延長線上にあるのが、今回のファッションショーだ。
島精機のモットーは、「DAY BY DAY」だけに、ホールガーメントも進化し続けている。しかし、いかに素晴らしい機械でも、そのよさを知らしめないと買ってはもらえないということだ。知らしめるためにファッションショーまで主催する……島精機の戦略に学ぶべきことは多い。
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