経営の現場は『知恵の宝庫』
疋田文明が注目する元気印企業を事例に 勝ち残る企業像、あるべき経営者像を 経営者のみなさまと共に探求します。 |
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「日本のサラリーマンは、自分の会社のために持てる能力をどれぐらい発揮していますかね。5割ぐらいですか」
「いや、良くて3割から4割でしょう」 これは、筆者と
企業再生に実績のある某サラリーマン経営者との3年前の会話だ。ただし、この経営者は、自社の社員が持てる能力をフルに発揮しないことを非難することはなかった。 当然、社員個人に問題があるケースもあるが、1番の問題は、やる気を阻害する
組織の制度、上司の存在だというのだ。 最近、この話を裏付けるアンケート調査があった。某調査会社が、世界26カ国のサラリーマンに、「会社のために目一杯働いていますか」と聞いたところ、日本はイエスが2%でダントツの最下位だった。逆に、「
上司の管理能力に問題がある」との問いに対するイエスの答えは40数%で日本が一位だったのだ。 日本人はシャイだから、自分から目一杯働いていると答えないのではないかとの指摘もあるが、それにしても2%は少なすぎる。
多くの経営者は、人材育成の重要性を説く。しかし、現状は育成以前の問題だ。
トヨタ自動車の7つのムダ(1.作りすぎのムダ 2.手持ちのムダ 3.運搬のムダ 4.加工そのもののムダ 5.在庫のムダ 6.動作のムダ 7.不良を作るムダ)に代表されるように、経営の現場ではあらゆるムダを排除する努力がなされている。 たしかに、そうした取り組みも大事だが、組織内で最も重要な
経営資源である人材が、持てる能力をフルに発揮しないことほど大きなムダはないのだ。 人の上に立つ方は、謙虚に自分の組織と部下を見直して欲しい。
部下のモチベーションはどうか、持てる能力をフルに発揮しているかどうか、チームとして機能しているかどうか――問題があるとすれば組織の制度なのか自分の対応なのか。
人材育成のスタートは、そこから始めるべきだと思うのだが、いかがなものか。
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