元気塾: 中小企業経営者と自らの自己研鑽を目的に元気塾を開設し、元気印の企業が増えることを願って活動しています。元気塾主宰 疋田文明

疋田文明
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2023/
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2021/
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2021/
2/22
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連載コラム
第2回 ムダの効用
 

トヨタ生産方式

の生みの親である

大野耐一さん

は、その目的を、「

企業の中からあらゆる種類のムダを徹底的に排除して生産効率を上げる

」ことだと説明する。トヨタは、ムダを排除することで、好業績企業になり得たといってもいい。トヨタを例に出すまでもなく、企業経営においてムダは排除されるべきものなのだが、あえて、ムダを抱え込むことで、顧客の支持を得ている企業があることも知っておいてほしいと思う。
 人口26000人の鹿児島県阿久根市にある

AZスーパーセンター

は、
異色の好業績企業
だ。間違っても

大手量販店

が出てこない地方の小さな街の立地で、売り場面積はなんと3500坪(いまは増床して4500坪)で、1997年の創業以来
24時間営業
を貫いている。
  何より異色なのは、アイテム数の多さだ。生活必需品をフルラインで品揃えするとの考えから、33万アイテムもの商品を常備している。中には、年間一つ売れるかどうかといった商品も置いてあるのだが、その狙いを牧尾英二社長は、次のように説明する。
  「小売業の使命が、お客様が欲しい商品を、欲しいと思ったタイミングで、納得いただく価格で販売するところにあるとするならば、会社の効率が良かろうと悪かろうと、儲かろうと儲かるまいと、生活者が必要とする商品を品揃えするのが当たり前ではないですか」
 言われて見れば、確かにその通りなのだが、一般の流通業者は、効率を重視するあまり、死に筋商品を売り場から排除してしまっている。これは絶対におかしいと牧尾社長は指摘する。AZは、回転率の悪い商品、ムダな在庫を店頭に抱えることで、顧客の支持を得て単独店舗ながら、創業以来、右肩上がりで業績を伸ばしてきている。一見ムダに思える商品が、結果として、
企業の業績を伸ばす原動力
になることもあるのだ。
 
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