経営の現場は『知恵の宝庫』
疋田文明が注目する元気印企業を事例に 勝ち残る企業像、あるべき経営者像を 経営者のみなさまと共に探求します。 |
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中国の書経に、「知ることは難しくない、実行することが難しいのである。実行することはまだやさしい。最後までやり通すことが難しいのである」とあるが、まさにその通りだと思う。
かつて、堀場製作所の堀場雅夫さんは筆者に、経営者は我慢することも知らないといけない、と指摘した上で次のように続けられた。
「過去、私も数多くの失敗をしてきたが、振り返ってみると、考え方、やり方が間違っていて失敗したケースは本当に少ない。我慢できなくて、途中で諦めてしまった結果、失敗したことになっている」 やり通していれば、成功を手にしていたであろうというのだ。 日本マクドナルドの創業者、藤田田さんに、「失敗したことはないのか」と聞いたときの答えは次のようなものだった。
「失敗はない。ただし、考えが及ばなくてうまくいかなかったことはある。世間で言う失敗は、私には成功への第一歩だ」 本田宗一郎さんの失敗につての考えも独特だ。 氏は、「失敗は将来の収穫の種」との考えから、「前向きに取り組んで失敗したやつを表彰したい」といったという。ただ、本田さんも藤田さんと同様に、失敗後の取り組みを重要視している。 部下が失敗した後は、そのチャレンジを称えた上で、なぜ失敗したか反省(分析)させ、そして再度チャレンジさせていたと聞く。 表面的には失敗と思えても、その理由を把握した上で、やり続けることで、成功を手にすることができると考えればいいのだが、最近は逆のケースが目立つ。 例えば、新規事業にチャレンジした際になかなか結果が出てこない。本来ならば、なぜ結果がでてこないのかを分析した上で粘り強くチャレンジすべきなのだが、そこで諦めてしまい、次は全く違うことにチャレンジしてしまう。これでは右往左往するばかりでいつまでたっても成果は手に出来ない。
経営においては、実行が重要視されるべきだが、それ以上に我慢強くやり通す事が大事なのだと心得たいものだ。ただし、その失敗が屋台骨を揺るがすものであれば、素早い撤退がなされないといけないことはいうまでもないが……。
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